2012年3月20日火曜日

QMS:プロセスと定義したものには目標が必ず必要でしょうか?


ISO9001:20082000も同様)4.1項では、「QMSに必要なプロセス及びそれらの組織への適用を明確にしなければならない」とあります。要求事項としての規格項番である第4章に出てくるにも係わらずいきなり、この「プロセス」とは何を指すのか、またどのような単位と考えればよいのか分からず、困惑すると言われます。


規格語が分からないときの辞書であるISO用語の定義が載っているISO9000:2008では、プロセスの定義を「インプットをアウトプットに変換する、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動。」としています。このように定義されても「それがどうした」で、やはりよく分からないですね。


少し目先を変えて、ITIL V3版のプロセスの定義では、「特定の達成目標を実現するために設計された、体系的な一連の活動。プロセスでは、1つまたは複数の定義済みインプットを受け取り、定義済みアウトプットに変換する。プロセスには、アウトプットを確実に提供するために必要とされる役割、責任、手段、および管理コントロールなどが含まれる場合がある。また、プロセスでは、必要に応じて方針、標準、指針、活動、および作業指示を定義できる。」とあります。


何事にも言えますが、規格や方法論等では特に用語の定義をしないと、誤解を招きますので用語の定義は重要です。それぞれ、意味合いや定義内容が微妙に異なることが多いですが、大きくかけ離れていなければ、参考になります。


2002.7.318.1に開催されたISO9001 Workshop(主催JAB)のプロセスアプローチの説明の中に「プロセスは、ファンクション(機能、活動、アクティビティ)と考えてもよい」とあります。

多くの組織では、直接的なプロダクトの実現以外にも、プロセスの関連を表したもの(規格項番4.1)を見ると無意識で例えば、目標設定、マネジメントレビュー、内部監査、継続的改善もそれぞれプロセスと考えているように書かれています。 これはこれで結構なことだと思いますがしっかりと意識しておきたいものですね。


結局一つ一つの規格要求事項(Shall)を気にするあまり、規格の意図として大局的な規格の求めていることがらに気づかないことが多いようです。大所高所から規格を見ると、マネジメントレビューや内部監査などは、その要求事項の中に「その規格項番の目的」として読み取れる下りがあります。


日本語のややこしい部分ですが、プロセスには必ずしも目標を必要としませんが、何のために行うのか、その目的だけはしっかり持っておかないと、規格の要求事項を単に網羅しても、役に立たないどころか、ムダに資源を浪費するだけで、顧客満足は得られないことになります。


大小に係わらず、作業は目的を持って行うのですから、その目的は何かをしっかり押さえておくことが重要ですね。

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