経理上の売上先を一次顧客とし、その先として直接の取引はないが例えば問屋や中間業者があればそれが二次顧客、エンドユーザーとか最終顧客などを三次顧客ということが多いです。どの会社も、「当社は最終顧客を重視している」と言われますが、やはり直接お金を頂いている「お客さま」が「神様」の会社が多いようです。
まあ、「本音と建て前」という現実経済を考えると、最終顧客を意識しているだけでもよいのではないかと考えます。
目に見えるモノを製造している会社は、「これ、それ、あれ」で「当社の製品」が分かりやすいですが、例えば、QMS登録している「商社」などの場合、「購入品、取扱品」だけを「製品」としている場合があります。漢字の「製品」から目に見えるモノとのイメージが先行するのかなと思いますが、これでは、「当社の扱う製品は製造会社から購入するので、その製品について当社では如何ともし難い」となり、QMS登録の意味がないですね。
QMSにおける「プロダクト」は、二種類あると思います。
実際の業務やサービス内容である商品企画、マーケッティング、マーチャンダイジング、ロジスティクス、アフタフォローに至る機能と、コンテンツ含む提案方法など「広義のマーケティング」そのものが「サービス提供」という「プロダクト」ですが、この一番肝心な「プロダクト」が抜けていることが多いようです。
これでは、どのようにQMS活動を行えば、会社が評価されるのか、利益を得ることができるのかに繋がり難く、登録認証が「葵の印籠」にしかなりません。QMS登録の目的が、取引先の拡大、維持のみで、「意識革新、業務改善、プロセス改善、プロダクト改善・進化」を含まないのであれば、あればこれでもよいかも知れませんが、登録範囲や表記など違和感がある場合は、この会社大丈夫かなと気づかれるかもしれません。
IT業界においても、同様なことがあり、プログラムコードと仕様書が「製品」だとしている会社があります。しかし、ホームページでは、「当社は、最適なソリューションを提供します」とあります。登録表記を見ると論理矛盾していることが分かりますので、この会社に仕事を出すのは考えものとなってしまいます。後日品質目標とところで詳しく解説します。
商社係、IT・ソフト産業以外の業界においても、ISOに関する風評はどうもネガティブなものが多く風評被害を受けています。 こうすれば、会社がよくなるよという情報の発信力が弱いようで、勘違いが多く見られます。
日本人は「製品」という漢字からは「無形」のもの、「サービス提供」が連想できないようです。また、日本では、「サービス」は「タダ」という風潮もありことが、余計に「製品」を曖昧にしているようです。因みにISO9000では、「製品(product)」とは、「プロセス(→インプットをアウトプットに変換する、相互に関連する又は相互に作用する一連の活動)の結果」です。
この軸がぶれると、「プロセス」もそれこそ「工程」だけとなり、当社はモノを製造していないので「工程」はないとなります。
悲惨の連鎖はまだ続き、「品質(quality)」、「品質目標(quality objective)」も誤解、勘違いが多いです。これらを適切に理解しないと、「クオリティマネジメントシステム」は、役立たずの「幻想の世界の産物」となります。これらについても後日解説します。
顧客は誰? 製品は何? またそれらとプロセス、目標との繋がりをどのように考えればよいのかを熟考し、整理し、「見える化」するのがQMSの設計です。このような設計をしてからQMSを構築されているのでしょうか? また、その後、再設計をされていますか?
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