2012年3月13日火曜日

JIS規格書は分かりにくいですね


規格にはどんなことが書いてあるのか参考になりそうだからと思い、中身をみると分かりにくいですね。昔よく、寝付けないときは規格書を見ろと言われていました。どうしてこんなに分かりにくい日本語文書なんでしょうか。 
ISOという英語で書かれたものを翻訳したものだからと言われます。また、分かりやすい文書や言葉、漢字を使うと、規格の真意(意図)が伝わらないからとも言われます。
そう言われると仕方ないと思い、精神安定剤の代わり、羊の数を数えなくて眠れるからありがたいと前向きに活用していた時期もあります。
しかし、長年経験したり文献をみると、英語のISOを日本語のJISにする時に、如何に日本人が読むときに誤解しないで規格の意図を伝えられるか、先生方は随分と気を遣い、苦労されているのが分かってきました。ISO発行直後やJIS化の予定はないが私のような英語音痴で困らないように「対訳版」というのが発行される規格があります。 
この対訳版は、市場経済の考え方から購入数が少ないので、翻訳・発行費用を盛り込むために、少々値段が高いですが、早く内容を知るために購入することがあります。その後発行されたJISを見ると、日本語が異なるところが随所にあります。JISは、広く周知する、場合によっては認証のよりどころとなるので、これでも読み手のことを考えて工夫されているのが分かります。(感謝!) 
Shallは規格要求事項だから絶対順守でないといけない、shouldは規格要求事項でないから、できるのであればすればよい」と考えておられる方もおられるのかも知れませんが、規格の隠れた主語のことを考えると、同じ土俵で取り扱うものではないこともあり、切り離して考えた方がよいと思います。 
Shall:(し)なければならない」は認証規格で使用され、「should:することが望ましい」はガイド規格(指針、手引きなど)に使用されています。その他にも、それぞれ、「may:…(し)てもよい」「can:…できる」やそれらの否定後もあります。これらはJISZ83012011 (規格票の様式及び作成方法)で決められているので、規格書を発行するときはこれらの用語については決められた日本を使用します。他にも、項番の付与方法なども実は決められているのです。
JISQ9001JISQ14001JISQ27001等では、経営者(トップマネジメント)の要求としての「ensureを確実にする」などは、各規格書の解説に意味合いが掲載されています。ensureは、確実に実現できるようにする、場を作る、仕組みを作ることなどを意味しますので、経営者自ら直接担当するのではなく、仕組みなどの構築を指示し、その仕組みが現在も有効に機能しているかモニタリングコントロールするものに対して使用されています。マネジメントレビューなど直接関与するものは「Shall」が使用されています。 
日本規格協会が発行している公式(各国内委員会メンバー著)の書籍は参考になります。また、「解体新書(ISO9001:2000)」「新・解体新書(ISO9001:2008)」いずれも岩本威生著の書籍は、ISO(英語)を解説しており興味深く参考になります(後者は公式本ではありませんので、内容については各自判断して使用してください)。 
私は、規格を眠くならないように熟読する方法として、声を出しながら「写経」をしています。またWordExcelで残りますので、後で切り貼りができます。お薦めです。

0 件のコメント:

コメントを投稿