ISOは英語で記述されています。ISO9000品質に関する用語では、「quality」を「品質」という漢字を当てています。「quality」は、「本来備わっている特性(そのものを識別するための性質)の集まりが、要求事項(明示されている、通常、暗黙のうちに了解されている若しくは義務として要求されている、ニーズ又は期待)を満たす程度」とあります。
「製品(product)」は「プロセスの結果」であり、その「quality(品質)」ですので、一般的な表現にすれば、「仕事の質」「作業の質」となります。つまり、顧客の手元に届くまでの各プロセスの結果を含む、顧客の手元にある状態までが該当することになります。
「品質」も、「品」をつけると「モノ」を連想しますので、ただの「質(しつ)」と表現します。これで少しニュアンスが変わるのではないでしょうか。目に見える「品モノ」の場合の「質」は、その「品モノ」の「仕様」通りできているかが該当しますが、その仕様を決めるまでにも「質」は存在します。
また、目に見えない「もの」、例えば、ソフトウェアや各種サービスなどは、予め定められた「仕様」はあるものの、「ヒト」の作業・立ち振る舞いの要素が多いことから、目に見えるモノ、特に工業製品とは、その要素・特性が異なります。
一般的に、「(品)質」にも、「企画(品)質」、「設計(品)質:ねらいの(品)質」「製造(品)質:できばえの(品)質」「使用(品)質」などがあります。また、「当たり前品質,一元的品質,魅力的品質、無関心品質、逆評価品質」などと分類されている方もいらっしゃいます。
重要な(品)質というのは、マーケットインの考え方からすると、「顧客から見た(品)質」という考え方ではないでしょうか。「仕様」が「顧客から見た(品)質」を反映されておればよいですが、プロダクトアウトの「当たり前(品)質」「これでもか(品)質」では、売れない、買ってもらえないプロダクトの質になります(失礼な例えで恐縮ですが現在のSONYとAPPLEの違い)。
このように考えると、「できばえの(品)質」を決める「仕様」段階は、「顧客から見た(品)質」を重視し、その上で作れるか、儲かるかを考えた「質と仕様」を決めて、「当たり前の(品)質」として製造する、生産する、提供することが、持続的成功をもたらすと思います。
QMSはこのような思考で「quality:(品)質)」を取扱い、見える化、システム化し、企画から改善に至る仕組みを構築すればよいのではないでしょうか。
これも、やはり、「QMSの設計・再設計」というものが重要となり、役立つQMSになると思います。
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