2012年4月9日月曜日

QMS:規格を読むに際して用語の再確認(2)


<この内容は、2008年度版対応 ISO9001 新・解体新書 岩本威生著 日刊工業新聞社の記述を参考或いは引用しています。>

performance」:成果を含む実施状況→出来映え、実績
この規格の中では、「行為、事実」を指すのではなく、「性質、状況」を意味する意味で名詞化しており、これを「実施状況」としては単なる「状況」のことを意味していると誤解させる可能性があるので、プロセスの結果、QMSの結果を意図していることを示すために、「『成果を含む』実施状況」という言葉となった。ただ、同じ訳語の選択なら「できばえ」あるいは「実績」という方が普通の日本語としてもっと分かりやすいと思います。

いずれにしても、「performance」はそれだけでは「性質、状態」を指すだけで、良いか悪いか何も言っていないので、「process performance」は「QMSのできばえ」と理解し、評価した実績データを指していると考えるのがよいと思います。 

appropriate」:as appropriate ,where appropriate
                                                 →該当するもの、適宜→適切に、適切な場合

「適切に、適切な場合」における「適切」というのは、規格の性格から言って、組織が自分たちで判断してよいという主観的な判断ではなく、組織のお客様が納得できるかどうかが判断の大きな要素と考えることが適切です。客観的な観点を見失しなってはいけませんが、一方、「個々のわがままな顧客すべて」にということではありません。 

何か,ISO規格が言いたいことが「用語」から伝わる感じがします。JIS翻訳者の苦労がひしひしと伝わりますが,ISO規格を翻訳し,その後JISにしたときの顛末が開示されておれば,もっとISOが言わんとしていることがわかったと思います。

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