ISO/TR 10013:2001品質マネジメントシステムの文書類に関する指針では、QMSの文書には、通常、品質方針、品質マニュアル、手順書、指示書、様式(帳票)、品質計画書、仕様、外部作成文書、記録等が含まれると言っています。
文書とは,「現在及び未来に使用するために,顧客から見て納得できる組織の権限者による承認が必要な情報」でマニュアル,要領,規程(定),手順書,基準書などと称されるものです。 言い換えると「行動を規定する情報」,「繰り返し使用する又は長期的視点で必要な情報」と言えます。規格の要求として「文書の管理」を適用します。
記録とは,「達成された結果を明示する、又は実施された活動の証拠を提供する文書」で,エビデンスやログと称されることがあります。こちらも顧客から見て納得できる組織の権限者による承認行為で「晴れて記録」となり,規格の要求としては「記録の管理」を適用します。IT機器に組み込まれたシステム機能として自動的に記録されるログについては,その特性から個別の承認行為ができないことが考えられますので,システム稼働時に宣言したと考えます。
計画書は,その行為が完了するまでは,「文書の管理」,完了後は「記録の管理」対象となります。行為の完了の承認(宣言)行為によって記録の管理対象文書となります。 記録となった後は,例え内容の誤謬が見つかっても承認者の許可無く修正すると記録の管理対象ですから「改ざん」と見なされます。
マネジメントシステムを構築するために,運用に必要な外部で作成された文書を「外部文書」と呼び,規格では明確にし,配付の管理を要求されています。例えばISOの規格本、官公庁作成の標準仕様書、その他業務運営上関連する法規制等の文書,お客様から預かっている文書類が該当します。
因みに,業務活動の流れの記述において,登場する就業規則や賃金規程,経理規定など製品の品質に直接的に影響しないものは,外部文書としても問題ありません。
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