「製品要求事項への適合に影響がある仕事に従事する要員」とは,日本では,登録範囲の役員以外の管理職をも含めて「規格で要されている対象者」と勘違いしている企業が殆どです。
「要員:Personnel」は管理職の指示によって所定の作業や事務をする人を指しています。
従って,スタッフや管理職は「能力」で採用し評価されるもので,力量で採用されるものではないというアングロサクソンの常識が日本では思いつかないので,管理職も含め全従業者を対象にトレーニングをしている企業が多いです。
日本では,学校を卒業して定時採用され,徐々に色々な仕事を覚え,管理職なるというキャリアパスですので,現実として「能力」と「力量」の区別などはなく(辞書でも),また年功序列が長く続いていたこともあり,仕方ないのかも知れません。
別に,規格はスタッフや管理職にトレーニングを施してはいけないとは言っていませんので,製品要求事項への適合のためにトレーニングが必要であれば,続けられればよいと思います。
「力量:competence」とは,ISO9000では,「知識と技能を適用するための実証(demonstrated)された能力」と定義されています。知識があり,それが仕事でやって見せられ,そして認められなければならいということです。当然,見て認める人はそれだけの能力がある人でなければなりません。
「力量がなければならない」とは,「力量を確認する方法と認める仕組みがある」ことと,それが実行されていることが必要であることを意味しています。
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