2012年7月8日日曜日

QMS:規格7.1 製品実現の計画(2)


規格の要求としては,

a)製品を実現するために必要な品質目標と要求事項を明確にします。「品質目標」は,箇条5.4.1でトップマネジメントに対してコミットすることを求められている担当部署,階層で明確化させた製品目標のことで,「要求事項」についてはその「目標」に対しての許容限界のことです。(品質目標と要求事項がごっちゃの企業が多いです)

b)当該の製品を実現するためにどういうプロセスを確立するのか,それを稼働するためにどのような文書類を確立する必要があるか明確にし,また,稼働のためにどういう資源が必要かを明確にします。

c)その製品のためにどういう検証,妥当性確認,監視,測定,検査,試験活動が要求されているか,そして,製品の合否を判定する基準はどうあるべきかを明確にします。
d)製品実現のプロセスが要求された条件を満たし,製品実現プロセスで生み出された製品が要求事項を満たしていることを実証するために,どういう記録を取るべきかを明確にします。

2012年7月7日土曜日

QMS:規格7.1 製品実現の計画(1)


この条項は,条項4.1QMSの適用の対象である,適合製品を実現する為の製品実現プロセスについて総括的に記述します。各プロセスをきちんと整理して,当社のプロダクトは何か,そのクオリティとは何かについて整理し品質計画書に該当するものを明らかにします。

よく抽象的な,プロダクトを製品としますが,当社製品のアピールしたいこと,顧客に訴えたい当社のその製品に込めた嘘偽りのないプロダクト名を明らかにすると,整理が捗ります。製品カタログ,パンフレットに書かれていることだと思います。

例えば,「コンピュータシステムの設計開発」ではなく,「お客様の問題を解決するためのITを活用したソリューションの提供」とすると,そのことを実現するためにどのようなプロセスで,手順書・基準・記録・ツール・設備・要員等を使用して活動しているかが洗い出せます。また,間違っても品質目標が「バグゼロ」とはならないです。

「プロダクト:製品」や「品質目標」を登録証に記述する一般名称と同じとして品質マニュアルを書いていくと,実活動とは異なる,或いは事務手続きばかりの記述となり,経営に寄与しない,余分な工数・コストがかかるQMSとなります。

2012年7月3日火曜日

QMS:規格6.4 作業環境


この条項は,「確実にする」という要求ではなく,また記録も要求されていません。

各部署や階層において製品要求事項への適合を達成する為に自部門,階層で必要なインフラストラクチャーを特定し,その特定されたインフラストラクチャーを組織で決められた職責の権限で,選定・選択・充足するようにすることを品質マニュアルに記述するのが一般です。

特別なことを企画は要求しているのではなく,会社経営・運営で常日頃行っていることを整理すればよいと思います。

また,その適切性は,内部監査で,特定,選定,運用などの適切性を評価すればよいと思います。

尚,この作業環境の「環境」は,ISO14001が扱う「環境」とは異なります。また,「労働環境」のことでもありません。
 

品質マニュアルや品質関連文書でのルールは,兎角制約事項でネガティブと受け止められがちですので,たとえば,従業者のやる気の喚起の外発的動機付けの一環として「社内表彰制度」などがあれば,ここに記述しても構わないと思います。

(どこの条項でも,追加の条項でもお好きなところに書かれればよいです。)